日本の霊性とは、有史以前の縄文の時代から人々が感受し有形無形に表してきたものの奥にある世界観、宇宙観、時空観、生命がイキイキわくわくと輝く生き方のこと。
「ものづくり大国」ともいわれる日本では、匠と呼ばれる境地に至った人々の技術を「神業」と呼んだり、創り出されたものに神性を見い出して神社に奉納したりといった慣習があります。ユネスコの無形文化遺産に「和食」が登録された決定理由のひとつに「自然尊重の精神」が挙げられているように、天然自然から生まれた素材に神性を見抜いて敬い活用すると同時に、自らも純粋性や神性を探求し続けるという姿勢は、日本が誇る素晴らしい霊性のひとつではないでしょうか。「ただ静かに座って内省する」という坐禅が発展してきたのも、この精神を養うためとも言えるでしょうし、身振り手振りで示す所作の文化を「道」として継承してきたこともその表れでしょう。
また、「森羅万象(人にも自然界の動植物にも、石や山や川のせせらぎ、さらには自然現象である風や雲や雨粒、陽の光などにも)に神が宿る」という崇敬を誰もが無意識のうちに持っているのは、私たちの霊性の根底に日本固有の信仰、神道があるからかもしれません。そして信仰の中枢には、約2000年前の創建以来「日本人の心のふるさと」と慕われてきた伊勢神宮(正式には「神宮」)があります。
このように有史以前の縄文の時代から人々が感受し有形無形に表してきたものの奥にある世界観、宇宙観、時空観、生命がイキイキわくわくと輝く生き方を「日本の霊性」と捉えています。
「大地に根差し、天と通じる」、このような精神性を掘り起こして、そのエッセンスに目覚めることが、混迷の時代を超えて自分らしく輝いて生きる力になる。そして新たな時代を築く力を与えてくれるものとトータルヘルスデザインは感じています。